補聴器と集音器の違い

当店ご利用のお客様より補聴器と集音器の違いを尋ねられることが多いので、ご案内している内容の一部を記載いたします。

集音器は「補聴器の代替」として宣伝されることが多く、利用者が 補聴器と同等の効果を期待 してしまう場合があります。

集音器を補聴器と認識され、調整を希望されご来店いただくケースもございます。補聴器ではない旨をお伝えすると驚かれる方もいらっしゃいます。

以下の表に補聴器と集音器の違いについて纏めました。

項目補聴器集音器
分類管理医療機器(厚労省認可)家電製品(医療機器ではない)
規格・基準JIS C 5512:2015 などの規格に基づく明確なJIS規格なし
価格帯おおよそ十万円~数十万円おおよそ数千円~数万円(十万円を超えるものもあり)
調整方法聴力測定に基づき、専門家が周波数ごとに調整専門家による個別調整はなし/簡易的な音量調整を自身で実施する
音質メーカー・製品により聞こえ方は大きく異なるが、各種機能設定により環境音を抑え、会話を聞きやすくするほとんどが環境音と会話音を一律に増幅するため、雑音も大きくなりやすい
安全性全てに最大出力制御あり(過大音から耳を守る)製品によっては出力制御がない場合がある
効果の個別性個人の聴力に合わせた調整が可能画一的のものが多く、聴力に合わない場合が多い
サポート体制耳鼻科や補聴器専門店やでの調整・定期点検あり購入後の専門的サポートは少ない
メリット・効果的な聞き取り改善・耳への安全性が高い・専門家による長期サポート・安価で入手しやすい・一部製品は軽度難聴者に有効な場合あり
デメリット・高価・専門家によるフィッティングが必要・安全性リスク・聞こえによっては効果は限定的

以下、集音器について(私見が含まれますので、ご参考適度に)。

調整方法では、基本的にはボリューム操作のみを行なうものが多い印象です。集音器の中でもスマートフォンで簡易的な聴力測定を行なうことができ、それなりに細かい調整ができるものもございます。しかしながら、機能(できる事)が多いものに関しては、補聴器と変わらない金額となっている場合があります。安価な補聴器なら購入できる場合があります。

音質では、昔のアナログ補聴器の音質に近い音増幅(小さな音も大きな音も等しく増幅)のものが多い印象です。聴力によっては、使用効果を実感できない場合があります。しかし、メーカー主催の勉強会にて試聴体験を行なった際には、製品によっては、静音下では会話がくっきりと聞こえるものもありました。ただし、そちらも風雑音の有無や騒音下では雑音抑制が働き、環境音だけでなく会話音も同様に下がってしまいました。

安全性では、過去にお客様が持参された集音器の特性測定(小さな音から大きな音まで音の高低毎にどのような音の大きさになっているか機械で調べる方法)をメーカーの異なる3製品ほど、測定を行なったことがありますが、強大音を抑えられているものもありました。全ての集音器に問題がある訳ではないのかもしれません。

集音器によくある問題点として、ご使用者の聞こえの状況によっては、元々聞こえる周波数(音の高低)はうるさく感じ、聞こえづらい周波数では音不足が起こり、ボリュームを大きくした時にピーピー音(ハウリング:耳栓の不一致等で音が循環する現象)が止まらないという事があり、補聴器相談をお受けすることが多々あります。

聞こえにご不便を感じたらまずは補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を受診、その後、紹介先の認定補聴器専門店での相談がご不便解消の最短経路だと思います。